『センスは知識からはじまる』はあいまいな「センス」を、具体的にどのようなものなのか解説している本です。
センスがないと悩むあなたに、実践的なアドバイスが詰まった本書の感想をお届けします。
『センスは知識からはじまる』ってどんな本?あらすじ
2014年に発売された水野 学 (著)『センスは知識からはじまる』。Amazonでは2,000を超えるレビューが付いている人気の書籍です。著者は、「くまモン」アートディレクションなどで話題の、日本を代表するデザイナー。
センスという一見曖昧な言葉を、具体的に解説してくれる、学びのある内容でした。
目次
Prologue センスは生まれついてのものではない
Amazon
Part1 センスとは何かを定義する
Part2 「センスのよさ」が、スキルとして求められている時代
Part3 「センス」とは 「知識」からはじまる
Part4 「センス」で、仕事を最適化する
Part5 「センス」を磨き、仕事力を向上させる
Epilogue 「センス」はすでに、あなたの中にある
『センスは知識からはじまる』を読んでの感想と評価
本書で触れられているのは、「センスとは知識の積み重ねである」という考え方です。「センスとは、何度も試行錯誤を重ねて学んでいくものだ」と語っています。
「私にはセンスがないから…」と子どもの頃に思ったことはありませんか? そんなふうにあきらめてしまうと、学ぶ機会が減り、気づけば「センスがない」状態に……。
スタートしたときは生まれつきの差かもしれません。しかし、その後の努力の方がずっと大切。
アインシュタインが「天才とは努力する凡才のことである」と言ったように。天才、つまり、他人がうらやむようなセンスを持つ人は、ほとんどが、学び続けてきた人なんです。
そして、大人になってセンスとして評価されるのは、そうして積み上げられた努力です。
歌がうまくなくても、音楽に興味があれば今後色々な情報を集めて新しい発展をして、音楽のセンスを育む可能性があります。
本書は、センスがないと思われることに悩む人々に、新しい視点を与えてくれます。
「将来のためになる勉強」として学校では数学や英語、国語が重視され、美術や音楽はわきに追いやられる。「趣味」や「特別なセンスを持った人の領域」にされがちだ、という現実にも触れています。
その結果、美術や音楽に触れる機会は趣味や自発的な行動に頼らざるを得なくなり、多くの人は次第にアートから距離を置くようになってしまいます。
そのため、大多数はどんどんクオリティが低下していき、「センスのある特別な人」が際立つというわけです。
つまり、本書が言いたいことは「誰もが自分なりのセンスを持っていて、可能性を持っている」ということです。
実際、誰もが学べば、ある程度上手に絵を描けるようになります。しかし、学校の美術の時間では大抵「好きなものを描いて」と言われるだけ。評価の基準が「上手か下手か」に偏り、銀賞や金賞のような優劣がつけられる現実。
今考えると、それがどれだけもったいないことか、改めて感じます。
本書は、単に個人のセンスを磨くための本ではなく、ビジネスにおける「センス」についても触れています。特にマーケティングや商品開発において、センスがないとされる製品が生まれる原因を分析しています。
個人的には、「センスのある人は、客観的な情報が豊富だ」という一節がとても印象的でした。ビジネスのセンスがどのように育まれるのか、分かった気がします。
『センスは知識からはじまる』は、ただの「センス論」ではなく、私たちが日々どう生きるべきかに関する深い洞察を与えてくれる本です。
これからの時代、自分なりのセンスを磨きながら、知識を積み重ねていくことが、より良い年の取り方につながりそうです。
この記事で紹介した本
センスは知識からはじまる
著者: 水野 学
出版社: 朝日新聞出版
発売日: 2014/4/18
ページ数: 192ページ
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内容
「くまモン」アートディレクションなどで話題の、日本を代表するデザイナー発「センスの教科書」。
センスは生まれついたものではなく、あらゆる分野の知識を蓄積することで向上することを説く。
顧客の嗜好が多様化する時代、スキルよりもセンスを磨くことで、仕事を成功させるノウハウを紹介する。
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