句読点やカギカッコの使い方に悩んだことはありませんか?『文章工房』では、文学作品を例に、日本語の文章ルールを丁寧に解説。文章の基礎を学び直したい方や、自由な文章表現に挑戦したい方におすすめの一冊です。
『文章工房―表現の基本と実践』ってどんな本?

目次
序章 文章のセンスと技術
1 原稿用紙の作法と工夫
2 句読点の基本と応用
3 各種の記号の活用
4 漢字の書き分け
5 語感のひろがり
6 語順とニュアンス
7 あいまいさの追跡
8 視点の操作と遠近法
9 描写のいろいろ
10 レトリックの楽しみ
著者は国立国語研究所室長や成蹊大学教授、早稲田大学名誉教授、などの経歴を持つ中村明氏です。
『文章工房』というタイトルのとおり、文章の書き方が解説されています。ビジネス書でよく見る「文章の書き方」を紹介する本とは違い、より専門的(初歩的?)に解説する実学書です。
目次を見るとわかりますが、「句読点の基本と応用」「漢字の書き分け」「語順とニュアンス」といった国語的な考えの「書き方」が紹介されています。
そして、この本のコンセプトがとても良い。
職人が生活に役立つ民芸品を作り出すように、日常の生き生きした文章を制作するアトリエというイメージで「工房」と名付けてみた。
『文章工房』p13
『文章工房―表現の基本と実践』を読んで/感想
句読点の打ち方ひとつで文章が変わる――そんな日本語の奥深さをさらに味わえる一冊です。
句読点の打ち方、カギカッコの使い方、()の使い方など、知っているようで知らない、細かな日本語のルールを紹介しています。
夏目漱石や室生犀星、坂口安吾などの文学小説を例にしているのも特徴です。日本作家がどのように日本語を扱ってきたのか、日本語の基礎と共に理解できます。
たとえば「」の使い方。
『吾輩は猫である』と書かれていれば、出版社が出した『吾輩は猫である』という本を指して、「吾輩は猫である」と書かれていれば、何らかの書籍に収録されているタイトルを指す。
調べれば出てくる内容ですが、こういった細かな点がまとまっていると、自分の書き方を見直すきっかけになります。さらに『文章工房』では、「『』」を避けたいときや、3つのカッコが必要になってしまった場合、など他の例も紹介しています。
読んでいてへえ~!と思うことが多い本でした!
SNSやメール、仕事上の文章で、うっかり誤解を生んでしまいそうなポイントも理解できるようになります。
読んでいて驚いたのは、作家たちは思ったよりも自由なスタイルで文章を書いている、ということ。ある程度の基準はあるものの、意外とみんなのびのびしていたんだなぁ、と思いました。
今までビジネス的な文章ばかり書いていたので、こう書くべき!と、がっちり型にはめられて生きてきたのですが、文章ってそういうもんじゃないよな、って思えたのも良かったです。
「文章の書き方」を解説する本を読んで、「自由に書いて良いんだ!」って思うのは斬新でした(笑)。
次の仕事の資料にレトリック使てみようかな……いや、怒られそう……。
箇条書きや表などがなく、ずっと文章で説明していくため、どこか重要なポイントなのか、パラパラ読んでいると目が滑ってしまいます。重要なポイントが少し埋もれているように感じました。
この本では、具体的なルールというよりも「こんな例もあるし、こんな例もある」という書き方をしていて、「結局どれもアリなの?」という印象を受けました。実際の執筆時には、どの使い方が適切なのか少し迷ってしまうかもしれません。
日本語の文章ルールを丁寧におさらいできる、興味深い一冊でした。ルールに縛られすぎず「自由に書いて良いんだ」と思えたのも良かったです。文章の基礎を見直したい方や、日本文学が好きな方におすすめ!
この記事で紹介した本
文章工房――表現の基本と実践
著者:中村 明
出版社:筑摩書房
発売日:1997年9月1日
ページ数:221ページ
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内容
腕のいい職人が暮らしに役立つ民芸品を作り出すように、日常生活で生き生きとすっきりした文章を生み出すには?文章を書く現場で具体的に役立つよう、句読点・記号や用字用語など、文章の七つ道具の使い方から、語順や視点の違いによるニュアンス、描写やレトリックの切れ味に至るまで、技術面を掘り下げて表現のテクニックを披露する実践的な文章講座。書きたいことが的確に届く表現、気持ちが伝わり読み手の心に響く文章を制作するための、楽しいアトリエに、ようこそ。
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